大人になると、時間の経過が加速的に早く感じるようになります。あっという間に10月ラストです。
肌寒く感じる稽古が始まる夕方、いつものように櫻木會の仲間たちは時間になると道場に集まってくれます。
今夜は審査に特化した稽古をします。
本日の審査特別メニューの稽古の時に質問を受けました。
重要な事をお伝えできなかったので、この場でお伝えします。
これは私の経験上の話ですので、ご覧になっている方々で異論はあると思いますが、悪しからず。
○質問
打つときに、相手との距離感が遠く感じてしまい、その結果、右手を伸ばして打ってしまうので、少し中心から打突の軌道がずれてしまう。どうすればいいのか?
◎アドバイス
技術的な事もあると思いますが、根本的には気持ちの問題です。
目の前の相手に恐怖心があり、打たれるのが怖い心境だと思います。そのような心境なので、相手が打突してくる前に自分が先に打つことで、相手から打たれるのを回避している状況にあります。
結果、攻めが足りなく、打ちに急ぎ焦りが見受けられます。
無理に遠間から打つことになるので、右手から竹刀を振り下ろすことになってしまうのでしょう。
これでは、有効打突にはなりません。
自分が打てる間合いまで、攻めて溜めを作り打ち込むことです。しかし、自分が打てる間合いは、相手にとっても打てる間合いです。この距離は最高潮に緊迫する間合いです。その間合の攻防で、攻め勝ち打突に入ることが重要です。それが攻めです。そして、その攻めて打つ姿を審査員は望んでいるのです。
遠間から無理に打つ、自分一人だけの剣道ではなく、目の前の相手をしっかりと見て攻めて、いつもより、あと半歩、近づいて打突に入る必要があると思います。
言葉で言うのは簡単ですが、難しいことです。
ぜひ、その恐怖心に勝って、いつもより、あと半歩攻め込んで、有効打突が出せるように頑張ってください。
ご健闘をお祈りします。